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今朝から何度、この瞬間を見たことか。

2020年の東京五輪招致が決まりました。

プロセスというか、安倍総理のプレゼンを始め色々と疑問もあるし、疑念もあるけど決まったからには成功させたい。
そして成功に協力するのが、日本国民としての世界への誠意というものでしょう。
世界が、日本に注目し、選んでくれたわけですからね。

確かに福島の原発事故は収束せず、汚染水は漏れている。
それが、安倍総理の言うような範囲にとどまっているとも思えない。

でも、国のトップが言ったことですから、なんとしても実現しないといけない。
世界に公約したんですから、俺は知らないというわけにもいかない。

2020年という一つの締め切りが設定されたのは、
だらだらとした「復興」作業に対して、大きな枷となるでしょう。
でも、この制約は作業の加速を生み出すものと捉えれば、
東京五輪は、東北の復興にも良い影響をもたらすと思われます。

外圧に弱い国であるということは、外圧はうまく利用すべきだということで、
この東京五輪招致は、日本の国家運営に対して、見事に有効な外圧になると思います。

皇族から政治家から経済人か、多くの招致委員会メンバーが世界に公約したことを守るために、国家規模で邁進することになるでしょう。
その重要な一つの要素が、福島原発事故の後処理であり、東北の被災地に復興であることは、あれだけ「復興」をキーワードに掲げたのですから、その進展は守られなければなりません。

ところで、東京五輪の経済的な影響が第4の矢になるというような発言もあるようですが、相反する要素を含んでいることを考えておかないといけないのではないかと思います。

コレに関して、実は私が心配しているのは、日本の工事関係者が疲弊しなければいいのになということだったりします。

すでに、東北の公共工事には、工事業者の現場作業員が足りないことや、材料費の高騰が大きな影響を与えています。

地方自治体の担当者が慣れない高度な工事仕様の決定に励んでいるのに、業者が決定するどころか、入札の不調が相次いでいて、入札者0ということも少ないくないらしい。
多くの工事が同時に発生する中で、安い作業単価の公共工事を避け、高額の工事に人が集中してしまっているようなのです。

そこに東京で多くの工事が始まれば、単価も高く、内容も派手なオリンピック関連工事に人が集まり、ますます東北で工事を請け負う人たちが少なくなり、結果、復興・復旧工事が遅れるのではないかと心配です。

就職状況が芳しくないと言っても、戦後の復興の時のように、飯場に泊まりこんで工事現場で金を稼ごうという若者は、この平成不況では少ないでしょう。
東北でも、職人の高齢化はさけられないそうです。

高学歴プアとか、なんとか言っても、復興ボランティアに参加する人たちはいても、復旧工事の現場職人になろうとする人はどれくらいいるでしょう。
そこで働く尊さは同じではないかと思うけれど。

東北の復興と東京の五輪が同時に進行するには、工事現場の資材、もっと具体的なコンクリートの砂や石材や、多くの鉄骨の製造が欠かせないわけです。
こうした資材の確保には、円安の進行による原料の高騰、原油の値上げに伴うガソリン高騰、電気代の値上げなどが大きな影響を与えています。

アベノミクスは、輸出向け企業には上げ潮かもしれませんが、国内向けには厳しい状況を生んでいます。

これから、こうした要因のバランスをどう取りながら、経済と復興と五輪準備のバランスをどう取っていくのか、

工事関連株の高騰もいいのですが、足元は結構危ういものがあるのではないでしょうか。