いま伊勢丹は、東日本復興とアートの支援ということでショーウインドーがアートしています。

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KISS THE HEART#2

1月23日(金)より、いよいよ各店舗ウインドーでの作品展示が始まります。
アーティストそれぞれが、「アートの“自然力”を復興する」というテーマを考え、アートのもつラディカルな力を通して思いを発する作品が勢揃いしています。
アートの力に触れ、「復興」について共に考える機会として各店舗のウインドーを巡って作品をご高覧ください。
2013年1月23日(水)各店舗ショーウィンドウにて展示スタート
新宿: →2.18 | mon | 日本橋: →2.25 | mon | 銀座: →2.24 | sun |
※日本橋三越本店は2月5日(火)・19日(火)、銀座三越は2月18日(月)、店舗休業日のため、作品をご覧いただけません。



ということで、新宿伊勢丹、銀座三越、日本橋三越のショーウインドーは見ものらしいですが、新宿に住む私にとっては、新宿伊勢丹が気になるので、早速見に行って来ました。

そして、このアーティストの展示の前で釘付けになったのです。
ショーウインドーを写真にとったものがこれ。
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サイトで紹介されている写真がこれ
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インスタレーションとしては、写真とは別にビデオが流れているのですが、そっちも素晴らしい。
写真の顔の部分を切っているところを捉えたものですが、シュールで美しい。

作品の解説

〈LOT 12〉
片山真理 Mari Katayama
『tools』
50×50cm set of 3
inkjet print 2012
二本の義足。小さな部品ひとつでも無くなれば、私は6畳アパートから一歩も出られなくなってしまいます。深い森に入ったとき、そんな自分がいかに生かされ、生きているかということを強く感じました。それでも歩くことに希望を持ち、自然に淘汰されるのを待つのは、果たして儚いことなのかと考えています。
Two artificial legs. I cannot take a step out my small room if even a small part of them disappeared. When I walked into a deep forest, I felt so strongly how I was kept alive, and how I keep myself alive. I wonder if it is transitory, to have a hope to walk, waiting for the time of natural selection.



早速彼女のサイトを調べて、ブログも見てみました。

2013.01.24 Thursday@katayamari's blog

KISS THE HEART#2
2013年1月23日より、KISS THE HEART#2がスタートしました!
‎会場は伊勢丹新宿店・日本橋三越本店・銀座三越のショーウインドーで、私は伊勢丹新宿店さんの明治通沿い(新宿三丁目駅B3出口出てすぐ!)で展示しております。
今回の作品は『tools』というタイトルで、ハイヒールを履いた等身大(190cm!)のセルフポートレートと、それと比べると小さい3点のセルフポートレート、そして初めての映像作品を出品致しました。

制作を始めた16歳のときからのテーマだった「道具としての義足」についてを
ハイヒールプロジェクト、上京し都会にやってきて感じたこと、青森は十和田市で感じたこと(前回のblog参照)、いろいろ、いろいろ…と、これまでの活動を通して考えた作品です。

そして私にとって黄色は追悼の色なんだな。



義足をアートにするパワーが黄色という色とマッチして、とてつもなく輝いていました。
彼女のプロフィールをウインドーで撮ったもの。
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色々な欠落をアートに変えている人は居ますが、義足という欠落をアートにしている人は初めて見ました。
(欠落には、精神的なものも物質的なものも含みます)

このインタビューも素晴らしい。

両足義足でハイヒールを履くという選択

欠損を埋めるための代償行為としてアートしているのではなく、
アートしか生きていることを証明する方法がなかった人という気がします。

障害者はキレイにしちゃいけないのか?

必要十分なだけのレベルでしか生きてはいけないのか?

そういう問が、彼女から発せられている。
新宿の街頭で、それを感じ眺めるということが、見事にアートなのだと思う。

ぜひ、伊勢丹のウインドーを眺めて、感じていただきたいです。