今日、はからずも2つの超有名アニメの海外進出のニュースを見た。

幼くなった鉄腕アトム? アフリカで変身したワケ @日経新聞

手塚プロダクションはリメーク版「ロボットアトム」をナイジェリアの大手民放と共同制作し、3月22日から現地での放映を始めた。「鉄腕アトム」は1963年に日本で放映されて以来、日本や米国でリメークを3回しているが、新興国との共同制作は初めて。


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確かに幼い感じですが、対象年齢が6歳以下なので、ターゲットに合わせた変更と言えます。

この、アトムをナイジェリアで6歳以下に見せようというのが、どういうマーケティングなのか。

もちろん、これから「増える人口」を相手にしている、しかも、新規なものに抵抗の少ない層を狙って、そこから親を取り込み、徐々に市場を広げるのが狙いでしょう。

「こうした狙いもあり、ナイジェリアを突破口にアフリカ市場の開拓に乗り出すことにした。息が長いビジネスにするために対象年齢も6歳以下と低く設定した」と手塚プロの清水さん。同社の13年3月期の売上高は約20億円でその約6割が「鉄腕アトム」関連。「鉄腕アトム」が再生できるかどうかは手塚プロにとっても死活問題なのだ。



一方で、もうひとつの国民的アニメはアメリカ進出を狙います。

ドラえもん、全米デビューへ ディズニーが英語版 @日経新聞

米メディア大手ウォルト・ディズニーは今夏、日本を代表するアニメーション作品「ドラえもん」の全米放映を始める。米国向け販売権を持つテレビ朝日がディズニーと英語吹き替え版の放映で合意した。ドラえもんは原作漫画の連載開始から44年がたち、アニメも東南アジアなど35カ国・地域で放映されたが、米国では初めて。日本文化の輸出にも弾みがつくと期待される。



「アナ雪」も絶好調のディズニーが、ドラえもんに目をつけました。
すでに東南アジアを中心に市場があるドラえもんが、初のアメリカ進出になったのは、アメリカ人にはのび太の性格が近い出来無いのではないかと言われていたからという話もあります。

主人公であるのび太に共感できないと、ドラえもんは成立しませんからね。
でも、映画版は、連載アニメほどのび太がダメダメではないし、ジャイアンやスネオも友情に満ち溢れているので、アメリカでも大丈夫かもしれません。

こちらは、世界最大の市場を取りに行ったわけです。
ひょっとすると、アカデミー賞も狙えるかもしれない。

実は、アトムはアメリカではすでに大人気のアストロボーイなので、この市場は開拓済み。
その先にあるのが、アフリカ市場ということだとも言えます。

クールジャパンの戦略として、この市場規模の大きい市場を攻めるのか、成長余地の大きい市場を狙うのかというのは、なかなかに面白い視点ではないかと思います。

ドラえもんとアトムの今後が楽しみです。